御 蔵 島 社 協 だ よ り



社協だより 令和4年1月号 抜粋

令和4年 新年のごあいさつ 

 明けましておめでとうございます。

 新しい年になりましたが、昨年末のオミクロン株の登場で、しばらくはコロナに用心する日が続きそうです。変異を繰り返す厄介なウイルスですが、対抗措置として、ワクチンや治療薬が次々と開発されています。世界中の人々が一丸となり新型のウイルスと戦う、このような経験は初めてではないかと思います。しかし、コロナに限らず環境の変化で地球上のあらゆる生物が生命の危険にさらされています。巨額をつぎ込んだ兵器で人間同士が殺しあう、そういう時代はもう終わった、そう考えたいです。心身ともに健康な生活を目指す、そんな年にしたいと念願します。                               会長 栗本 一郎   

新型コロナウイルス『まん延防止等重点措置』

 コロナの第6波はオミクロン株の大流行。東京都は1月21日より『まん延防止等重点措置』の適用を決定いたしました。2月13日までの予定です。今回は東京都全域が適用地域となり、島しょ部にも適用されております。今回の東京都からのお願いは主に下記の2点です。

・ 不要不急の外出は自粛し、混雑している場所や時間を避けて行動すること

・ 不要不急の都道府県間の移動は、自粛すること

 急を要する出島もあると思いますが、出先や帰島後、くれぐれも用心していただければ、過度に心配する必要はないかと思われます。このオミクロン株、重症化リスクは少ないものの、感染力は相当なもののようで、家族内感染を防ぐことはとても難しいとされています。ちょっとでも気になる症状があれば、人との接触は出来るだけ避け、医療機関に相談してみてください。菌を入れない努力より、広げない工夫が求められてくると思います。ワクチンの3回目接種も始まっています。換気、消毒、マスクの3点セットで乗り切りましょう。

緊急小口資金貸付事業 延長中です

 新型コロナウイルス感染症の影響による休業・離職等による緊急小口特例貸付ですが、昨今の現状を鑑み、3月末日まで貸付を延長しております。詳しくは事務局までご連絡をいただくか、東京都社会福祉協議会のホームページ等をご参照ください。

健康こと いろいろ

 『尿失禁』実はたくさんの人が悩んでいる?!                

 尿失禁とは自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義づけられています。40歳以上の女性の4割以上が経験しているそうです(日本泌尿器学会)。そういえば、数年前の学校運動会でのPTA競技か何かで大縄跳びがあり、30代~40代のお母さんたちの間では「跳ぶ前にトイレに行かないと!」「そうだね!行こう」という声が飛び交いました。ちょい漏れしないように、トイレに行かないとね、ということです。しかしトイレに行ってもなお縄跳びを飛ぶのは危険なのです…。翌年以降は違う競技になったように思います(尿漏れしない競技にしようという声があったのかも?)。

 悩んでおられる方は実は大変に多いのですが、恥ずかしいので我慢している方がほとんどです。直接生命に関わらなくても日常生活の質を低下させ、閉じこもりの要因になるなど、さまざまな活動制限を起こすことも予測されます。尿失禁の予防や改善について考えてみたいと思います。

 

 尿失禁の種類について                          

 大きく分けると4つに分類されます。

    腹圧性尿失禁

 重い荷物を持ち上げた時、走ったりジャンプをした時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。女性の尿失禁の中で最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。これは骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こり、加齢や出産を契機に出現したりします。荷重労働や排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋を傷める原因になるといわれています。

    切迫性尿失禁

 急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。トイレが近くなったり、トイレにかけ込むようなことが起きたりしますので、外出中や乗り物に乗っている時などに大変に困ります。本来は脳からの指令で排尿はコントロールされていますが、脳血管障害などによりそのコントロールがうまくいかなくなった時など原因が明らかなこともあります。しかし多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁をきたしてしまいます。男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になります。

    溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

 自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまうのが溢流性尿失禁です。この溢流性尿失禁では、尿が出にくくなる排尿障害が必ず前提にあります。排尿障害を起こす代表的な疾患に、前立腺肥大症がありますので、溢流性尿失禁は男性に多くみられます。ほかに、直腸癌や子宮癌の手術後などに膀胱周囲の神経の機能が低下してしまっている場合にもみられます。

    機能性尿失禁

 排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる尿失禁です。たとえば、歩行障害のためにトイレまで間に合わない、あるいは認知症のためにトイレで排尿できない、といったケースです。この尿失禁の治療は、介護や生活環境の見直しを含めて、取り組んでいく必要があります。

 

 やってみよう!骨盤底筋体操                        

 くしゃみやジャンプなどの尿もれは女性に一番多いタイプです。「女性なら当たり前」、「出産したから仕方ない」とそのままに放置せず骨盤底筋を鍛えることがとても大切です。また、急に尿意を催す切迫性尿失禁も骨盤底筋群が衰えたり硬直したりしてしまうと、膀胱の動きが止められない、尿が止められず出てしまうということが起こり、尿が漏れてしまいます。こうした尿漏れは骨盤底筋トレーニングで改善することができます。

もともとは1940年代に米国の産婦人科医が考案した方法で、医師の名前からケーゲル体操とも呼ばれています。排尿時に肛門と膣をギュッと締めてみてください。おしっこが止められると思います。それが骨盤底筋群が収縮した感触です。お腹には力を入れないようにします。排尿が止められる感触が解ったらトレーニング開始です。仰向けで肩幅まで開脚し息を吸いながら肛門・膣を胃のほうに吸い上げるような感じで5秒間“ギュッ”と締めます。その後、5秒緩めます。これを5回繰り返してください。この5回を1セットとして、一日5セットやりましょう。合計で一日25回締めたことになります。しかしながら…骨盤底筋は動きを感じにくい筋肉なので何を頼りに動かしたら良いのかわからなくなります。

そこで、3つのコツがあるそうです。

一つ目:全身リラックス

以下のような体勢でやってみましょう。

・仰向けに膝を立てて寝る

・片方の手をお腹に

・もう片方の手をお尻に

そして、両手でお腹やお尻が動かないことをチェックしてください。

二つ目:呼吸

息を吸うと肺が膨らみます。この時横隔膜が肺に押されて下に下がります。横隔膜が下がればその圧は下にある骨盤底筋にかかってきます。息を吐くと肺は小さくなります。肺が小さくなると横隔膜は上がります。そうすると、底にある骨盤底筋も連動して上に引き上げられます。つまり、呼吸をするだけで骨盤底筋は引き上げられたり下げられたりしています。

・息を吐きながら締め上げる

・息を吸うときにゆるめる

息を吐きながら締め上げるのが難しい場合は以下のことに注意してみてください。

 ・息を勢いよく吐いていないか

 ・ドローイング(お腹を凹ませたまま腹式呼吸を繰り返す腹筋トレーニング)のようになっていないか

 ・息を吐く時はリラックスする

 ・お腹に圧がかからないようにする

骨盤底筋は、自分の内側に、また膣の中に吸い上げるイメージで動かします。

三つ目:イメージ

どうして【イメージ】が大切かというと、骨盤底筋は胴体の底にあり見ることができないことと、腕や足のように関節が無いからだそうです。関節運動がある腕や足なら普段の生活で常に動きを感じることができますが、骨盤底筋はその存在すら気づきません。

まずは自分の骨盤底筋に意識を集中させましょう。そして、以下の3つのイメージで1番から順に動かしてみましょう。

1 恥骨と尾骨が近づく

  恥骨と尾骨2つの骨が中央(膣辺り)に向かって近づくようにイメージしましょう。

 2 膣周囲の皮膚をめり込ませる

   このようにイメージすることで骨盤底筋を押し出すのを防ぐことができます。骨盤底筋を押し出して

   しまうと鍛えられるどころかストレスを与えてしまうので逆効果になってしまいます。    

 3 膣の中に引っ張り上げる

   2.で膣周囲の皮膚を中にめり込ませたら、その皮膚を膣の中に引っ張り上げるイメージで

   動かしてみましょう。

 

骨盤底筋体操は地味なトレーニングです。効果が表れるまで3週間~8か月と言われています。毎日欠かさず行うことが大切です。さらに筋肉の衰えは加齢とともに進行するので、できるだけ継続しましょう。この体操は子宮や膀胱が外陰部から飛び出してくる骨盤内臓器脱と呼ばれる疾患の予防になることもわかっています。


平日 8:30 ~ 17:15 (土・日・祝祭日休)

 

社会福祉法人 御蔵島社会福祉協議会

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